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組手において基本で重要なこと

Matchトレ!はチャンピオンを目指す全ての空手家をバックアップするものとなっています!そこで今回は組手の競技力向上にフォーカスした「基本」について重要なことをいくつか話を進めて行きます!

現在の競技空手、特に組手においては武道とスポーツのどちらも重要な要素になる。しかし、最近の指導現場においてはスポーツとしての要素ばかりになっている様に見受けられる。やはり空手は不変的に武道だと思います。

そこで今日は、基本×組手の相対関係にフォーカスしていきます。形よりも子供たちに人気の高い組手ですが、みんなが思っているほど単純な競技ではありません。そこには武道なりのロジックがひっきりなしに詰まっています。是非最後までお付き合いください!

組手において重要な基本

最近の傾向としてよく見られるのが、組手を強くなるために組手の練習ばかりすることがよくある。しかし、組手も元をたどれば空手です。
そして、競技空手の中で組手は最も難易度が高いと思います。それは何故か?
形と違い「応用」を伴うからです。加えて「流動性」も伴います。
応用を効かせるには、そもそも基礎を徹底できていなければいけません。これは組み手の基礎とは違い、空手としての基礎になります。個人的に組手としての基礎は、それはもう技術の世界。つまり応用は始まっているものと考えます。さらに、流動性が伴うということは“不意打ち”にも対応できなければならないと思います。これは以下の三つがとても強い結びつきを持と考えます。
①立ち方
②姿勢
③呼吸
この3つを最低限、意識して稽古すれば組手にかなり通じるものがあると思います。

①組手に生きる立ち方の重要性

この背景としては【足腰の重要性】ということです。
基本の立ち方にも基本が存在しますが、それはあくまで基本であり十人十色ではない。
でも、この基本の基本にしっかりと触れなればふんわりとしたもので終わってしまうと思う。

それでは非常にもったいないと私は思う。

前屈立ちや四股立ちも見た目に一般的な正解はあるが、果たしてそれは本人の重心や足幅にヒットしているのか。そこから強くキレのある技に繋がる。

ここで組手に結び付けると、前屈立ちや後屈立ち、四股立ちは組手の中で割と近い場面は多い。つまり、この三つの立ち方において極めを作れる重心の位置(前後左右・上下)や足幅は徹底するべきだと思う。
後屈立ちや四股立ちでは以下のことが見えやすくなるのではないでしょうか

・初速出しやすい重心の位置/足幅
・浮きにくい重心の位置/足幅
・突きや蹴り、受けをしやすい重心の位置/足幅
前屈立ちであれば、
・鼠蹊部(そけいぶ)を締めやすい重心の位置/足幅
・後ろ足を張りやすい重心の位置/足幅

このようにたくさんの結びつきがあり、組手に通じるものは少なくともあります。そして、前屈立ちでは腰の使い方も覚えることができます。足元の次に重要になるのはやはり、上半身との繋ぎ目になる【腰】です。
腰の回転のしやすさであったり、体のバランスを取りやすさは形においても必ず必要になります。
今回は組手なので話を戻しますが、それでも組手の動きなんだから、組手の中で確認する方が効率的だ。と思う方はいらっしゃると思います。
一定の年齢までいけばそれは納得できます。しかし、今は組手で結果が出ている選手でもいつか形でも花を咲くことができる仕組みを作っておくことが私は指導者としての役目だと感じております。なので、まずは組手に結びつく基本のエッセンスを立ち方一つから意識していくべきだと思います。
そして、小中学生だと身体的な成長が著しいため”止まって確認する“ことの重要性は間違いないんじゃないかと思います。なんとなくではなく、止まって鏡を見てスタンスの違いを客観視することで本人の考える力にも繋がる。これは生きる力にも繋がるので、必ず行ってほしいことの一つです。
このように意識し、まずは足腰を磨きます。そして、足元→腰ときたら次は上半身になります。上半身の中で意識してほしいことは【姿勢】になります。
次はこの姿勢について展開していきます。

②組手に生きる姿勢の重要性

先程は基本の中での立ち方、そして徹底することで組手につながるエッセンス
でしたね。次は【姿勢】にフォーカスしていきます。
"当たり前だろ"と思われるかもしれませんが、組手を好きで基本が好きな人はそう多くありません。
なので、基本でも組手で活かせる姿勢の重要性を説いていきます。
まず、姿勢が悪くなるとどれだけ立ち方を徹底していても全て無意味となります。そして組手では、「視野」がかなり狭くなり、反応できる技が減ります。そうなると必然的に失点率は上がり、負けへと近づきます。

次に一つイメージして頂きたのが、勢いよく回っているコマです。勢いよく回っている間は接地面からてっぺんまで垂直になっていますよね。つまり、姿勢を保つことで突きや蹴りの回転力を増幅させることが可能になります。
しかし、立ち方の徹底と違い難しいところは、骨盤の数センチの向きや顎の数ミリの向きによってパフォーマンスを大きく左右してしまいます。
さらに、四六時中ケアしないればなりません。もちろん寝ているときにもです。そのため、この姿勢は1番繊細に、かつ大胆さが問われると思います。

何故大胆なのかというと、姿勢は言わば癖なので、微調整の変化に気づければ理想ですがそうもいかないことが多いです。なのでそういった意味で、気づかせるためにもあえて大きな変化としてとらえさせることも重要な手段ではないかと考えます。
ですが、この姿勢をものにできてしまえば、あらゆる体勢からでも視野の広さを武器に選ぶべき手段(カウンターもしくは回避)を選択することができるのではないかと考えられます。

このようにして、足元→腰→姿勢(上半身)と繋がります。
そして3つ目は【呼吸】にスポットを当てていきます。1番初めなんじゃないの?と思われますが、ここまでは技を使っていないその場基本や移動基本としてください。
これから初めて技と結びつけていきます。

③組手に生きる呼吸の重要性

これまで足元→腰→姿勢(上半身)ときているので、技や極めといった流れを予想されたかと思います。
個人的に、技や極めに目を向けると無駄な力が発生するリスクが上がってしまうと考えられるのでここは【呼吸】でいきます。

呼吸には二つありますが、胸式呼吸ではなく、【腹式呼吸】を常に使えるようにしてください。胸式呼吸ばかりになると、本来呼吸を助ける横隔膜を使わず無駄な体力を使うことになります。
また、組手に置いて相手が反応するのは「体の輪郭」と言われることが多いです。そのため胸式呼吸だと輪郭にずれが生じやすく相手に察されやすくなります。そのため、腹式呼吸をまず使えるようになりましょう。

では、本題に入ります。

人は大きな力を使おうとした時、腹筋を使うために息を止めますが、これは組手に置いて重要性は低いです。なので、基本の中で、最速かつ最小限の力で技を出すことを心掛けましょう。

やることは至ってシンプルです。
まずはゆっくりと技を出します。
技に対応して息を吐いていきます。
※技の出し終わりと同時に息も吐き切るのがベストです。
段々と技を速くしていき、極まる瞬間に合わせて呼吸の速度をあげます。そうなると肺の中の残りの空気を止めるために腹筋が栓の役割をするはずです(一般的に言う締め)。
この感覚を染み込ませる作業になります。

これも先程の立ち方と同じで、組手の動きの中からの方が効率的では?と思われますが、とにかく安定した状態からの変化を受け取り、感じることが何より大切になります。

なので、まずはその場基本、移動基本と難易度を上げていってください。自ずと組手の流動生のある中でも呼吸と技が連動していくことでしょう。
そして先程、"最速で最小限の力"と言いましたが、力が大きくなると威力とスピードは増しますが、競技空手において重要性は低いと思います。
そして力むことの弊害で肩が上がることが想定され、相手に気づかれやすくなります。
つまり、大切なのは

“相手よりいかに速く動く”のではなく
“相手にいかに気づかれずに動くのか”
だと考えます。

そのため、呼吸をうまく使えるようになれば瞬発的なスピードを発揮できる上に、反応を遅らせることが可能になると考えられます。
なので、呼吸を意識した基本練習をより多く取り入れてほしいと思います。
これらの組手につながる意識的な基本動作は、難易度は高いと思います。そのため、一定の感触が得られるまでは意識をしながらがむしゃらに取り組むことをオススメします。

これらの感覚に実感のある選手でも、じっくり繰り返すこと、がむしゃらにやることの重要性はよく理解し、区別して稽古していることと思います。
お読みいただいた方々も是非、お試しください。

まとめ

色々な意見があると思いますが、いかがだったでしょうか。
小中学生のみんなには難しい表現が多かったと思います。端的に言うと、組手にはスピードやパワーではなく、その前にスピードやパワーを操ることができる骨組みは出来ていますか?ということです。

例えば、筋力トレーニングでよく言われる話ですが、ウェイトトレーニングには賛否両論がありますよね。
その人はやって良い段階なのか、まだ控えるべき段階なのかを見極めなければ、故障のリスクをあげたりパフォーマンス低下を助長してしまうものになる。といったところでしょうか。
とにかく、肉付けをする前の段階に小中学生の多くはいるんじゃないかと思います。

一個人の経験則ではありますが、現役として活動している今でもこの3つの点はとても大切にしています。特に、“相手より速く”ではなく“相手が読みにくい(気づきにくい)”動きは心掛けています。前後左右上下の3次元的なものではなく、4次元的な概念追求しています(前後左右・上下・時間軸)。
これも、全て基本や形を徹底して稽古してきた結果じゃないかと思っています。
なので皆さんも是非、上記の三点を実践してみてください!

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